カンヌ映画祭は世界で最高の権威がある映画コンクール
「カンヌ映画祭」の名を知らない人はいないと思います。
毎年5月になるとテレビのニュースでも報じられて話題になっていますから、華やかなレッドカーペットの敷かれた会場の風景も見ていることと思います。 この「カンヌ映画祭」は、世界で最高の権威を持つ映画コンクールで、第二次世界大戦終結の翌年、1946年から開催されています。
カンヌ映画祭は世界の3大映画祭の一つ
ちなみに、「カンヌ映画祭」とベルリン国際映画祭、ヴェネチア国際映画祭の3つを合わせて世界の3大映画祭と呼ばれています。やはり、こういう文化的なイベントは歴史のあるヨーロッパということになるのでしょうか。「カンヌ映画祭」の開催される場所はフランスでも屈指のリゾート地である南フランスのコートダジュールという海岸沿いにあるカンヌ市です。
商売も上手なようで、同時期に国際見本市も開催されるようになっています。こちらもMIFED、American Film Marketと合わせて世界の3大見本市と呼ばれる規模ですから、「カンヌ映画祭」の時期は、まさに大勢の訪問客でカンヌ市は大賑わいとなるのです。
カンヌ映画祭開催60回記念のオムニバス映画
実は、この映画祭は、これより以前から開催されていたヴェネチア映画祭に対抗して始まりました。
何を対抗したのかと言うと、ヴェネチア映画祭はファシズムという言論の自由が奪われた当時のイタリア政治的思想に支配されており、真の芸術性を評価しているとはいえなかったからで、当時すぐにでも開催したかったのですが、第二次世界大戦のために延期され、終戦後にフランスの援助を受けて開催されるようになったのです。
2007年には開催60回記念として、歴代の映画監督が3分間ずつ想いを綴ったオムニバス映画が作られましたが、北野武監督も日本人で唯一そのリストに名前を連ねています。
カンヌ映画祭における最高賞はパルム・ドール
さて「カンヌ映画祭」における栄えある最高賞はパルム・ドールという賞で、最終選考に残った20作の中から選ばれます。その他にも、審査員特別グランプリ、審査員賞、監督賞、男優賞、女優賞、脚本賞、カメラ・ドール(新人監督賞)が設定されており、それぞれ表彰を受けます。
この時の審査員は世界的に著名な文化人や映画関係者が担当し、審査も大変厳格ですから、受賞者の喜びは最高のものでしょう。
日本人では大島渚氏が1978年に「愛の亡霊」で監督賞を、河瀬直美氏が1997年に「萌の朱雀」でカメラ・ドールを受賞しています。
そして「カンヌ映画祭」の最高賞であるパルム・ドールは、衣笠貞之助氏、黒澤明氏、今村昌平氏が受賞しています。